はあとな総合税理士事務所
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■2019年
■2018年
■2017年
専門分野別に経理の目線と税務のポイントを探りました
行政監査をいかにのりきるか
医業は社会保険診療報収入が主たる収入であり、福祉事業は都道府県または市町村給付金がその収入の大半を占めます。「国のお金」の請求と使い途について行政の厳しい監査が必ず行われます。
日々の会計帳簿は高度な医療法人会計、社会福祉法人会計またはそれに準ずる会計方法に基づいて記帳、決算を組むことが求められます。
医院の経営は年々厳しくなっています。
以前は社会インフラとして「安定的な経営」の先頭でしたが、もはや歯科医院や介護施設においては飽和状態で、競争原理がはたらいており、患者さんや利用者さんのニーズにいかに答えていくのかということを考えていくことを求められる時代になりました。
高齢化社会に伴い医療費の増大という問題等から医療保険制度はひっ迫した状態になり、毎年のようにその制度改正がおこなわれます。医業・福祉事業の効率かつ透明性のある運営が求められます。
高くなりがちな所得をいかに節税するか
高くなりがちな所得がゆえに税務調査は定期的に行われます。
クリニックでは「社会保険診療報酬の所得計算の特例」というとても有利な税額計算の特典があります。
この特例は年間の社会保険診療報酬額が5,000万円以下でかつ医業にかかる総収入金額(社会保険診療報酬+自由診療報酬)が7,000万円以下という要件があります。
窓口収入や自由診療の売上除外の疑いについて調査が行われた場合、上記の特例否認の処分もしばしあります。
また、特例を使用される税理士の方が多い中、帳簿をしっかり作成し比較検討が必要なことも大事になります。
歯科クリニックの審美治療やインプラント、歯科矯正は自費治療になることがほとんどで、その収入が年間1,000万円を超えることにより、消費税の申告も必要となります。
この場合、非課税の収入と課税収入の課税売上割合により仕入税額控除の計算をすることになります。
現在追い風が吹いていると言われている業界ですが、どこも頭を悩ませているのが人手不足と材料高騰です。
また、公共工事に従事する人員は社会保険制度への加入が義務付けられてきており、企業はそれに伴う、法定福利費負担も重くなりました。材料高騰、賃金高騰は企業にとってはダイレクトに採算が合うかどうかに直結するものであるため、今後原価管理が利益を確保する大きなポイントになってくるのは明らかです。
手間のかかる工事台帳の作成と、正確な月次決算をかかさず行うことで、利益確保に向けた視点、原価管理や予算管理をしっかりしていくことが出来るでしょう。
また、会計だけではなく国土交通省の「労務費調査」も毎年行われるため、労務管理も経営の大きな視点となります。
工事請負はその工事が完了するまで一定の期間を要し、請負高も高額になります。
税務調査が行われる場合、決算をまたぐ工事については未成工事支出金(仕掛工事)はいかに計算されているか、工事原価への付け替えという間違いや不正がされていないかというのを必ず調べます。
帳簿上では「不正の細工」は安易に行えても、いざ調査となれば調査官は「原始資料」をくまなく調べることで売上除外や売上の翌期への繰り延べ、架空外注費、工事原価付け替えを徹底的に調べます。
「原始資料」とは、見積書、発注書、出面帳、作業日報、工事台帳、出張精算書、下請業者からの請求書等をいいます。すべての資料等を時系列にまとめ、まるでパズルを解いていくように不正があるかないかを調べます。
緻密な工事台帳の作成は工事原価とそれに対応する売上の計上は利益管理のみならず、調査対策においても大事な「原始資料」となります。
また、「一人親方」への報酬についても給与か外注費かという建設業特有の事案として問題視されています。
土地の売買と建物の売買、テナント収入と居住用住宅の賃貸収入やレオパ○○などの短期滞在型住宅の賃貸、不動産購入にかかる仲介手数料と売却時の仲介手数料。
同じ「売買」「賃貸収入」「手数料」であっても法人税法上の取扱い、消費税法上の取扱いは全く別の取扱いになります。
土地の売買は消費税法上非課税であり、建物の売買は課税取引です。
テナントや短期滞在型住宅の賃貸収入は消費税の課税取引ですが、居住用住宅は非課税です。
不動産購入時の仲介手数料は不動産の取得価格に算入されますが売却時の仲介手数料は経費になります。
不動産業を営む会社では上記の取引が絡み合うことが多く、その経理処理はひとつひとつ取引の実態を吟味しながら行うことが求められます。
税務署では、毎年度、要重点業種を決めて優先的に税務調査に入りますが、不動産業は毎回のように選ばれることが多いようです。理由としては、多額の資金が動く取引が多いことから、売上高の多寡により目立つということがあります。
不動産の売買は単発取引で、また仲介にしても売買にしてもいつ契約が成立するかわかりません。予想外に決算間近に売上が立つこともありえます。登記も伴いますので、取引自体を隠ぺいすることは無理ですが、相手方と共謀して取引価格を仮想したりすることにより譲渡益の圧縮などの不正行為は考えれます。一度不正が起こると多額なものになることから、税務署も力を入れて対応しているように思われます。
また個人事業の不動産所得についても調査は定期的に行われます。不動産所得は売上はわりと「ガラス張り」
(水道光熱費の使用状況で入居状況が容易に調べられる)、必要経費となるものが限られるので、調査事案は「修繕費」となることが多いです。
「修繕費」か「資本的支出」かという問題点を調べます。
退去時の現状回復費用、キッチンの入替工事、和室を洋室に変更した費用、外壁の塗装工事、給湯器の交換費用等その一つ一つを「修繕費」か「資本的支出」かということを請求書や状況等で判断していくことが求められます。
個人経営の飲食店について考えていきます。
個人経営の飲食店オーナーは事業主であり、調理人であります。どちらかというと皆さん調理人です。
「美味しいものを提供する調理人」です。飲食店は開業しやすい業種ではありますがその過半数が3年以内に閉店するともいわれています。
「流行っているお店」が儲かっているわけでもないし、「美味しいお店」が流行っているわけでもないのが飲食業界の特徴です。いかに利益を確保するのか。
現金商売が主となる商売ですので、会計は売上・仕入れ・経費とシンプルな経理になりますが、オーナーに求めるのは現金管理です。
飲食業の方は、仕入れや仕込み、後片付け等に長い時間を使われていると思いますので、帳簿の整理などは後回しになりがちですが、レジと売上現金を毎日合わせる、売上現金は通帳へ入金する、日々の仕入れなどは小口現金勘定で支払う、そうすることで儲かっているのか、赤字なのかを日々勘付いていきます。
また2019年10月より軽減税率制度が導入されます。売上の区分や仕入・支払の区分が煩雑になるのが予想されます。
その他、新しい決済システム(Peypal、各種ペイメントサービス、電子マネー)の導入も今後必要不可欠となっていくことでしょう。
現金商売という業態が売上の除外が容易であるため、事前の潜入調査ありきでの無通知の税務調査となることが多いです。
飲食店の税務調査における最大のポイントは「売上が適正に計上されているか」ということ確かめるところにあります。
レジジャーナルと伝票のチェック、現金の入金状況を確認調査し、潜入時の伝票が除外されている場合には推計で売上金額と所得金額を算定します。
これを推計課税といいます。
日々の売上の管理と入金管理は税務上も非常に大事なポイントとなるでしょう。
製造業では、設備投資が大きく、それに伴い借入金が大きくなる傾向にあります。
そのため、製造業では利益とキャッシュフローのずれが大きくなります。
大きな要因は現金支出を伴わない経費である減価償却費と現金支出が伴うが経費とならない借入金の返済の関係にあります。
設備投資をして随分と年数がたっていれば借入金の返済のみが大きく会社は資金難に陥りやすくなります。
会計上の利益とキャッシュフローのズレを把握して経営することが大切だと考えております。
また、売上原価の計算は製造原価計算により行われます。すなわち完成品在庫、仕掛品在庫、材料在庫などの棚卸資産の評価は製造原価計算に基づいて算定されます。
適正な原価管理が正確な利益を把握することにつながります。
製造業はその売上の規模、設備投資の規模、労務費や経費の多寡により定期的に税務調査が行われます。
調査ではまず、製造業特有の棚卸資産(完成品、半製品、仕掛品、原材料等)が適正に算定されているかを徹底的に調べます。
正確でかつ高度な原価計算が求められます。
また、作業くずの売却収入の除外や工場内に設置した自動販売機等の設置料収入の除外などが指摘されやすいです。
他に機械や工具の修理について「修繕費」か「資本的支出」などの問題、作業員への報酬を「給与」ではなく「外注費」などとして処理する事案についての指摘がされやすいです。
貿易業に関する経理は専門性の高い書類、原始資料を如何に読み解き、記帳していくかにかかってます。
以下にその書類を挙げてみました。
運送会社(DHL、FedExなど)の請求書、収納代行会社の明細書
決済会社(アマゾンなど)の明細書、輸出代行業者の請求書、Paypalの明細書
輸出証明書、Invoice(輸出免税の証明のため必要です)、輸入許可通知書等
これらの書類を整理し、記帳していく高度な会計知識が必要となります。
また、輸入業者においては定期的に関税の調査が行われますので、原始資料の保存が大事になります。
海外取引では消費税の取り扱いに注意が必要です。
輸出を行う際は消費税の「輸出免税」が適用され消費税が還付される傾向にあります。この場合、高い確率で調査が行われます。
海外への商品の輸出、海外の会社に対するサービスの提供は消費税が免税となります。
これは、あくまで「消費」されるのが日本以外の地になるため、消費税を課さない(=免税)という考えに基づくものです。
輸出取引は消費税の計算上課税の対象ですが、税率が0%となりますので「預かった消費税」の金額は0となります。消費税納税額は「預かった消費税」から支払った消費税を差し引いて計算するので、国内で仕入れた商品購入の際に「支払った消費税」の方が多くなってしまいます。
「支払った消費税」の方が多い場合は消費税の還付を受けることができます。
ソフトやホームページの製作、アフィリエイト広告などフリーランスの多い業種になります。
その多くが大手IT企業と業務委託契約を結びフリーでお仕事されています。
報酬入金時の源泉所得税の経理処理、収入の計上時期、何をどこまで経費にしていいのか、委託外注費の計上時期、経理処理はやや煩雑です。
企業がフリーランスに対して支払う「報酬」は税務署に支払調書として提出することになっています。
よって大半の報酬を税務署及び市町村はその金額を把握しております。
よって、正確に申告することが求められます。調査が行われる場合、その収入の計上時期にについて疑義がもたれます。
決して入金があった日ではなく、あくまでも「納品した日」「役務の提供が完了した日」が収入の計上時期となります。
また、過度な経費については「家事費」として否認されますので注意が必要です。
美容業界は「誰に頼んでも大きな差をつけづらいサービス」ということで、開業しやすい商売ゆえに、今は激しい競争世界の業界になりつつあります。
開業するときにも店舗改装で多額のお金が必要となり、日々、カラー液やシャンプーの仕入れが発生し、経理処理も煩雑となります。
低賃金や人手不足の店舗も多い中、スタッフの給料や働きやすい環境整備など、先を見越した経営が美容室を大きく成長させるポイントとなるでしょう。
また、お客さんの目線で考えると、施術にさほど差がない限りでは、いつもの通り道にある近いところ、内装や外装のおしゃれなところ、サービスのいいところを選ぶのではないでしょうか、そうなると結構な家賃や設備投資もかかります。
現金商売という業態が売上の除外が容易であるため、事前の調査で一日の来客人数を調べての税務調査となることが多いです。
美容室の税務調査における最大のポイントは「売上が適正に計上されているか」ということ確かめるところにあります。日々の売上の管理と入金管理は税務上非常に大事なポイントとなるでしょう。
また、従業員のシフト表をチェックして「架空給与」が計上されていないかを調査で確認します。
アマゾンや楽天などのインターネット専業の利用者が増えたことによって、商品の注文が簡単にできるようになり、それに伴って運送のニーズが急増しました。
スマホでカンタンにお買い物ができるようになり、運送業は競争過多の方向、需要が拡大しても利益を確保できない過酷な業界になっています。
なかなか利益を出すことが難しい事情を抱えつつ今後もニーズが衰えることはないでしょう。この拡大傾向は続くものと見られています。
運送トラックの購入費用や維持費用、増加するドライバー賃金、高騰する原油…いかに会社の利益を確保するのかということが最重要ポイントとなるでしょう。
月次決算をきちんと行い経営状況をリアルに把握することが求められます。
運送事業者は、トラック輸送の安全確保の観点から様々な行政上の資料の作成及び保存が義務付けられています。運転日報、タコグラフ、運行指示書などがあげられます。
これらは、税務調査が行われる場合、「原始資料」として徹底的に調べられます。運送業という許認可の必要な業種であるがゆえ行政的に必要な各種書類が税務調査上最適の「原始資料」として「活用」されることとなります。
これら原始資料が適正に会計帳簿に反映されているかを調査で確認します。
調査対策としては、資料と整合のある会計処理を行うことです。売上除外や架空の外注傭車料の計上をしてもすぐにその不正経理がバレます。
配車、行き先を洗い出し、それらすべてがきちんと売上に計上されているのか、それに適合する原価が計上されているのか、適正な処理が求められます。
運送業で問題となる大きな項目に、ドライバーとの契約関係です。「業務委託契約(=外注)」に該当するかあるいは「雇用契約(=給与)」かという区分です。
この区分の違いによって、源泉徴収義務の有無や消費税の仕入税額控除の可否に影響が及びます。
特に業務委託として計上している場合は、業務委託契約書やドライバーからの請求書をきちんと準備しておく必要があります。